ミャンマーの電力事情。
先週末、近所の市場に出かけた娘とナニーが、バダウの花(写真)を買ってきてくれました。バダウは日本でいう桜の花的なミャンマーを代表する花です。金木犀のような、でももう少し上品な香りがします。この花、雨が降った後に1日だけ咲くので、通常はティンジャン(4月にあるミャンマーのお正月。水掛け祭り)を象徴する花でもあります。
ところが、今年は雨期が来るのが遅く、ずるずると咲き時を見失ったバダウの木が雨期に入った6月になってやっとこ咲いたみたいです。季節外れのサンタ的でちょっとありがたみも半減。でも、せっかくなので、ひと枝は髪に挿しました。(ミャンマーでは髪に花を挿して飾ります。)
さて、雨期が遅いということは、暑期がいつもより長かったということで、そうなると何が起こるかというと深刻な電力不足です。ミャンマーでは急速な経済発展に電力供給が追いついていない上、5割以上の発電を賄う水力発電が乾期に水力減少のために発電量が半減するために、特に電力消費がピークとなる暑期には電力不足が深刻になります。
そして、今年は特に暑期が長かったために電力不足がより深刻になったためか、とにかく停電が多かったです。5月はほぼ毎日計画停電をしていました。
私が住んでいる外国人向けのコンドでは発電機があるので、電力不足自体はその時は直接感じなかったのですが、確かに街に少し出てみると、日中ほとんど電気が通っていないみたいでしたね。
そして、6月に入って、5月の電気料金の請求が来て驚いたのが、電気代が普段の約3倍、約300ドル分の請求書。増えた分はそのまま発電機による電気代でした(涙)。そうなると、急に身近になるこの電力不足問題。
この電力不足、本当にどうにかしてほしいのですが、なかなか自体は深刻。発電にかかるコストは上がっているのに、料金増額に踏み切れていないために電力配給は完全に赤字で、増大する赤字を政府補助金で賄っており、2018年度の補助金額は1.6兆チャット(約1130億円)、なんとGDPの1%にも及ぶそうです。通常なら、電気料金の徴収の一部を施設拡充に回すべきなのに、すでに赤字のため再投資が当然できるわけもなく、コストと電力需要だけはどんどん上がっていると言う悪循環というわけです。
電気料金が上がれば、そりゃ国民は文句を言うでしょうが、全くサステナブルでない料金設定はどう考えても無理がある。
ただ、来年には総選挙も控えているので、おそらく政府も思い切った値上げには踏み切らないのではと思いますが。
とりあえず家計を預かるものとしては、来月には電気料金が下がっていることを願っています。