世界は意外とせまい

海外を転々としており、昨年3月からコロナ禍でミャンマーでの娘と子連れ単身赴任を終えて実家に帰ってきました。久しぶりの日本の生活、バイリンガル子育て、日本や世界の時事問題など気になることをつらつらと書いています。

ビオトープ(その9)基本に戻って勉強「ホームビオトープ入門」(by 養父志乃夫)

我が家のビオトープは、睡蓮の花が相変わらず咲かないことを除けば、植物もお魚たちも元気に育っています。当初睡蓮ともう一種の2種類の鉢植えからスタートしましたが、さらに数種類の草も生えてきています。

 

ところで、前回一時帰国した時に何冊かまとめて購入したビオトープ関連の書籍を紹介しました。(購入した書籍については以下のリンクをご参照)

ビオトープ(その4)ビオトープ関連の書籍。 - 世界は意外とせまい

 

読みやすい睡蓮の本などはさらっと読んだのですが、本格的なビオトープの書籍である「ホームビオトープ入門」(養父志乃夫 著)はまだしっかり読み込めていませんでした。短い夏休みがあったのでその際少しまとめてこの本読み込んで見ました。

 

この本、なかなかの読み応えです。これまでのホームビオトープや「庭」の作り方の概念がいっぺんに変わった気がします。これまホームビオトープというのは、箱庭的に自然を体現するというイメージがあったのですが、この本によるとそうではなくて、ホームビオトープを通じて回りの自然と自宅を一体化させるいわば媒体のような役割であることがわかりました。

 

だから、ホームビオトープで植え付ける植物は地域にもともと自然にあるものを極力使用するのが良いそうです。例えば、簡単に育ってよく浮き草として使用されるホテイアオイは、外来種なので、できれば避けた方が良いとか。

 

綺麗に掃除された庭は一見良さそうですが、それでは生き物や微生物が育たない。だから、落ち葉の掃除はあまり頻繁にはやらずに、適度に落ち葉が堆積するような庭が、生き物との共存にとっては良いそうです。

 

ここまで読んでハッとしました。ヤンゴンは公園も多く緑もいっぱいにも関わらず、あまり昆虫がいないなと思っていました。もしかしたら、こうした概念を全く無視して公園整備がされているのが理由なのかもと。

 

こうした考え方はとても共感するし、自分もこの「本物の」ホームビオトープを目指したいという思いが出てきました。特に、ゆくゆくは考えているオーストラリアへの移住の際にも家を建てたらぜひこの本を真似してみたいなと思いました。一緒に購入した睡蓮の本にはオーストラリア原産のとても綺麗な睡蓮も掲載されてて、ますますやる気になってきました。

 

もっと言えば、こうした運動はより地域に広まることでより自然を都市部に拡大することができると思い、夢も広がります。

 

しかしここでいくつか大きな問題が。

 

まず、この自然に近い庭って、慣れれば良く見えるのかもしれませんが、一般的にはあまり綺麗とは言えません。日本庭園のような自然を体現するようなデザインだと様になるのですが、洋風な庭ではやっぱりちょっと整備されていないっぽく見えてしまう気がします。夫はミニマリストかつ無機質なデザインを好む人で、この野性味溢れるビオトープの庭をどう思うか。。。

 

もう一つは害虫。ビオトープには害虫という観念がないそうです。水があると発生する蚊の被害は、メダカを放流することで簡単に解決しますが、それ以外の害虫、特にオーストラリアではやたらと毒を持ったヘビやらクモやらがいて、これらも当然自然とともにやってくるわけですよね。そうした虫被害をどうするのかも大きな課題だなと。

 

もともと欧米人はあまり虫が好きじゃない。さらにオーストラリアではあまりに毒虫が多いため、「虫=敵」が一般化しており、家族もそうですが、ご近所の理解を得るのも大変そう。

 

ということで、一先ずは我が家のなんちゃってビオトープで満足しつつ、次の手を考えたいと思います。